「相良くんっ!ど、どうしたのっ」
とっさに目を逸らす。
どうしよう。
目が合わせられない。
「……今日ずっと、俺のこと避けてるよね」
っ?!
「や、その……」
こんな反応したら、はいそうですって言ってるものなのに。
意識しないようにと思えば思うほど、変になってしまう。
「なんで急に?あんなことあっても、丸山さんの方がなんともないって感じだったのに。俺なんかした?」
あんなことって、唇が触れた日のことを言っているんだよね……。
あれとは全然違ったんだもん、そりゃあぎこちなくなってしまう。
相良くんの様子を見る限り、覚えていないみたいだけど。
「……相良くん、昨日のこと覚えてないの?」
恐る恐る聞いてみると、相良くんがポカンとした。
「え?昨日?」
やっぱり、全然覚えてないんだ……。
「その……酔っ払って……」
「酔っ払う?……誰が?」
誰がって……。



