翌日。
曜さんと話してから、ちゃんと自分の気持ちを認めて向き合おう、そう思っていたけれど。
いざ相良くんを目の前にすると難しくて。
前は、あの事故のあとも、全然普段通りを装えていたのに。
朝、起きてきた彼を見た瞬間、酔った勢いで言われたことや触れた熱を思い出してしまって。
まともに話しかけることができなくなっていた。
このシェアハウスにいられるのも残り5日。
ここを出ちゃったら話すチャンスなんてなくなっちゃうのに……。
そう思いながら1日はあっという間に過ぎていった。
「丸山さん」
っ?!
その日の夜。
お風呂から出て洗面所でちょうど髪の毛を乾かし終えたとき、その声に名前を呼ばれて大きく心臓が跳ねた。
鏡越しで後ろを見れば,扉のふちに体を預けて腕を組んでいた相良くんと目が合った。



