「そもそも、もし純恋ちゃんに対して今も本気でそう思ってるなら、あんなに付き添って看病したり、勉強見てあげたりしないんじゃないの?」
「……っ」
優しい声色でそう言われて、相良くんが見せてくれたいろんな顔や優しさを思い出して、目頭が熱くなる。
「今の純恋ちゃんは、また自分が傷つくことを恐れて、雫久の気持ちを見ようとしていないんじゃないかな」
曜さんの言ってることがその通りすぎてぐうの音も出ない。
「ヤな言い方してごめんね。でも、ここが純恋ちゃんの一歩踏み出すところなのかなって思うから」
親身になって話を聞いて、アドバイスをくれた曜さんに感謝しかない。
「……はいっ」
声が震えそうになりながら返事をすれば、曜さんが満足そうに笑った。
「ん。知るのが怖いってことはそのくらい相手を想ってる証拠でもあるから。それってすごく素敵なことだよ。なんかあったらまた俺に話して。俺は純恋ちゃんの味方だから」
「っ、ありがとうございますっ!」
曜さんの温かい言葉の数々に我慢していた涙がとうとう溢れてしまって、それを優しく拭ってもらった。



