「これぐらい?」
「うん。ばっちり」
相良くんとキッチンに並んで。
鍋に入れる鶏団子のタネの準備ができて、ふたりでそれを手で丸めているとなんだかすごく楽しくて。
「♪〜♪〜♪〜」
思わず、この間、相良くんと歌った歌を口ずさむと、隣からもその歌が聞こえてきた。
「♪〜♪〜♪〜」
サビのところではお互いちょっと見つめ合って、私たちの声がハモる。
やっぱり、この感じ大好きだ。
ふわふわした懐かしい気分になる。
相良くんと歌うと、不思議とすごくリラックスできる。彼の表情も、歌っている時が一番柔らかくて。
この時間が、ずっと続けばいいのに、なんて。
「よし、できた」
「うん。結構いっぱいできたね。ふたりで全部食べられるかな。まぁ、冷凍もできるけど……」
「丸山さんがいたら余裕でしょ」
「ちょっ、ひとを大食いみたいに!そうだけど!」
「ふはっ、そうだけどってっ。認めるんだ」
そうやって、相良くんがいつもよりも豪快に笑ってくれる瞬間も、特別ですごく嬉しくて。



