「あれ……」
エコバックから食材を出していると、買い物中に見た覚えのない大きめのプリンが2つ出てきた。
ちょっとお高いいいプリン。
こんなもの、カゴに入れた記憶がまるでない。
一体なんで……。
ふと、隣に立つ彼に目を向ける。
え、もしかして、相良くんが?
プリンを持ったまま彼をジッと見れば、視線を感じたのか、相良くんがちらりとこちらを向いて。
バチッと視線が絡んだ。
彼の目が私の持つプリンを見る。
食事以外の、おやつや個人で食べるものは自分の財布から出すのがルールだから、こういうものを経費で買ったら基本的にはダメなんだけど。
「もしかしてこれ、相良くんが入れたの?」
「……いや」
え。
今、あからさまに目を逸らされた!
絶対犯人の反応じゃん!
「相良くん、これ経費で落ちないよ」
「……フッ」
「へ?」
突然、空気を吐いたように笑った相良くんが腕組みしてこちらを向く。



