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「よし……出来たっ」
相良くんに最初に指定された範囲までをなんとか解き終わり、ふと顔を上げて時計を確認すれば、あれから1時間以上が経っていた。
結構集中して解いていたんだな……私。
我ながら自分の集中力に関心しながら、早速、解いた問題を相良くんにチェックしてもらおうと目線を横に向けると。
「……っ」
相良くんが、テーブルに置いた腕に顔を乗せて寝ていた。
その寝顔があんまりにも綺麗で見入ってしまう。
白い肌にスッと通った鼻筋と、血色のいい薄い唇。
だけど、目を瞑っているとほんの少し幼くて。
私も彼と同じような体勢になりながらその顔を見つめる。
優しかったり厳しかったり。時々分かりにくい冗談を言ったり。
聴いてる人の心を掴む素敵な曲を歌う大スター。
そんな彼、相良雫久のことをもっと知りたい。



