「まぁ、今年の夏は丸山さんにとってもちょっと特別だっただろうし。手つけられなくなるのもわからなくはないけど」
と相良くんがフォローしてくれる。
けど!!
「いや!!私はこの怠惰さを直さなければ。毎年ギリギリになって翔に泣きついてたから。でも、それももうできないし。だからちゃんと自分ひとりで出来なきゃね!」
翔の名前を出しても、もう悲しい気持ちにはならなくて、ちゃんと心から笑えてる。
そんな自分の気持ちの変化に気付いていると、
「……いいんじゃない」
相良くんがボソッとつぶやいた。
「え?」
「見るよ。俺でよければ。だから、ひとりで出来なくてもいいと思う」
「相良くん……」
彼の方からそんな風に言ってもらえるなんて想像もしていなかったから、うまく言葉が出てこない。
今の状況だって、私が相良くんの時間を奪ってしまっていて大変申し訳ない気持ちでいっぱいだ、なんて思っていたのに。



