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そして翌日。
なんと、午前中に仕事を終わらせた相良くんが、お昼過ぎから私の部屋に来て宿題を見てくれることになり。
今は絶賛、宿題を見てもらっている最中。
昨日、すぐに『いいけど』って返事が来た時はびっくりしたけれど、
相良くんの教え方はそれはそれはわかりやすくて、わからなかったところが理解できて、基礎的な問題は自力で解けるようになっていた。
「相良くんの教え方、ものすっごいわかりやすい!」
まるで自分がとても賢くなってしまったんじゃないかと錯覚してしまうほど。
「それはどうも……ていうか、この量本当に終わらせられるの?」
「……え……へへへ」
痛いところを突かれて苦笑いすることしかできない。
「笑ってごまかすな」
「うっ、だ、大丈夫だよ!頑張る。救世主もいるし」
「俺は解き方教えるだけだから」
「わ、わかってるよ!よろしくお願いしますっ」
こんなに教えるのが上手な相良くんが隣にいれば楽勝かもしれない!
そんなものは、とても浅はかな考えだった。



