今までの夏休みの宿題はずっと、翔と一緒にやっていたから。

正確には、私よりも数学や英語の得意だった翔にギリギリになって泣きついて付き合ってもらっていたというのが、毎年恒例のことで。

だから、どう手をつけていいかわからない……。

って、ひとりでやる以外の選択肢はないわけで。

って、いや、待てよ?

あることを閃いた私は、一目散に部屋を出てリビングへと向かった。

ちょっと前に曜さんがめちゃくちゃ頭のキレる探偵の役をやっていたことを思い出した。

あんなに知的な役ができる人だからきっと、勉強も教えてくれるんじゃ!!なんて。

けど……。

リビングのソファに横になりながらテレビを見てる曜さんの後ろ姿を見て足を止める。

いや、普段忙しくてしてる大スターにこんなお願い図々しすぎるに決まってるよね。

今日は曜さんの久しぶりの丸一日の休み。
そんな大切な時間を私の宿題に付き合わそうとするなんて!

非常識すぎるぞ私!!
いくら今自分が切羽詰まっているからって!!

自分の力でやらなきゃ!!
甘えるな、丸山純恋!!