イケメン芸能人と溺愛シェアハウス♡


あれから10年以上が経って。
こんな形で再会するなんて。

だいたい、純恋という名前であだ名がみーちゃんなのも珍しいと思うし……。

普通、すーちゃんとかすみちゃんとか……。
だから、ここで名前を聞いた瞬間は気付けなかった。

でも、俺の中にはずっと彼女がいて。

でも、その彼女にとって、きっと俺との思い出なんて大したものじゃなくて。

だから、鮮明には覚えていないんだろうし、幼なじみに恋をしたんだろう。

いや、俺に会う前から幼なじみ一筋だったのかもしれない。

なのに俺は……。

目の前で寝息を立てている彼女をじっと見つめて。

「本当に覚えてないの……一緒に歌ったこと」

小さくそう呟いて、布団から出ていた彼女の手を優しく握った。