「気、張りすぎてたんだよ。もっと肩の力抜いてもいいんじゃないの」
相良くんがポツリと優しく呟いた。
てっきり、相良くんには、自己管理がなってないなんて怒られるかと思ったから、
今かけてもらった言葉が意外すぎて、思わず目を開いたらバチッと視線が絡んだ。
「なにその顔」
「……いや、てっきり……相良くんには、怒られると……」
「はぁ……病人相手に説教するわけないでしょ。俺だってそんなに鬼じゃないから」
相良くんはそう言って私に毛布をかけ直してくれる。
その仕草に、トクンと胸が鳴って。
「今日はこの部屋で仕事してるから。何かあったら言って」
「え……でも……それだと相良くんにうつしちゃう」
「うつせるものならどうぞ。俺、あんまり風邪ひかないから大丈夫」
唯十くんや麻飛くんみたいにすごく愛想がいいわけではないけれど。
相良くんの優しさが心に沁みる。
「……ありがとうっ」
パソコンに繋げたイヤホンを耳に付けようとした彼に小さくお礼を言って。
私の意識はプツリと切れた。



