大丈夫、大丈夫、自分に何度も言い聞かせながら部屋で服を着替える。

その間もやっぱり身体の関節が痛かったりして。

これは確実に……風邪ひいたかもしれない。
でも、風邪なんてひいたらみんなに迷惑をかけてしまう。

何のためにここに来たんだって話だ。

寝込んでみんなのご飯を作れなくなってしまったら、私がここにいる理由がなくなってしまう。

だから……。

ガチャ

なんとか服を着替えて部屋を出てキッチンへ向かう。

ぐわんぐわんと揺れるような頭痛と節々の痛みに、グラッと身体が傾いた瞬間──。

「……っ、ぶなっ」

へっ……。

体が何かに包まれた。

これは……相良くんの匂い……。

「……っちょ、なにしてんの、丸山さん」

目を開けると、そこには相良くんの不機嫌そうな顔がこちらを真っ直ぐ見ていた。

「っ、あ、ごめんなさい、ちょっとフラ──」

話してる途中にいきなり、相良くんのひんやりとした手のひらがピタッと私のおでこに触れた。

「……相良くんの手、冷たい」

意識が朦朧とするなか、思ったことが口に出る。