あんなに美味しいお肉をたらふく食べた後だって言うのに!!
マカロンがあんまり美味しそうだからって、推しとふたりきりの状況で、普通お腹鳴る?!
恥ずかしくて思わず両手で顔を隠して俯く。
「ほんとごめんなさい……マカロンが美味しそうで……そのっ」
「ふはっ、純恋ちゃんほんとかわいい」
か、かわいいって!!
今のをかわいいって言える唯十くん、寛大すぎない?!
私を傷つけないためにそう言ってくれてるってわかってるけど!
推しからかわいいなんて言われたら、例え嘘でも嬉しくなってしまう。
「今、一つ食べてみてよ」
「えっ、でも……」
「いいから」
「じゃ、じゃあ、い、いただきますっ」
唯十くんの優しい声と、目の前の美味しそうなマカロンに負けて。
私は一つ手にとって、ピンク色のマカロンを一口食べた。



