「……すみません、勝手に。怖いですよね。好きな食べ物把握してるとか」
「なんで?俺がインタビューとか雑誌の特集とかで言ったこと覚えててくれてるってことでしょ?嬉しいよ。すっごく。ありがとう。しかも疲れて帰ってきた時にいつも純恋ちゃんのご飯があるおかげで明日も頑張ろって思えるから」
「……っ」
ほんと唯十くんって、人から好かれる天才だ。こんなにスラスラと私を喜ばすような言葉が出てきちゃうんだから。
「私こそ、エンプから、唯十くんから、本当にたくさんたくさん元気をもらってるので!あんな庶民的なご飯にそんな風に言ってもらえるなんて……ありがとうございます!これ、大事に食べ──」
グゥーーー。
っ?!
唯十くんへ溢れる感謝の気持ちを伝えようと勢いよく顔を上げて話していたら、突然私のお腹が盛大に鳴ってしまった。
う、嘘でしょ……。



