「ううん。純恋ちゃんはしてくれたよ。あの時、泣いた原因を話してくれたこと、嬉しかった」
「唯十くん……」
「心配させないようにと思って、なんでもないって話さないこともできたはずだけど、純恋ちゃんは、きっと勇気出して俺たちに話してくれたんだろうなって思うから。話しにくいことだっただろうし。だからありがとう」
「……そん、な……」
確かに、失恋したこと、それがここにくるきっかけになったこと、それを話したらみんなにどう思われるか心配な部分もあったけど。
そんな風に言ってもらえるなんて思っても見なくて、目の奥が熱くなってしまう。
私こそ、ここに来るずっと前から、唯十くんからたくさんもらっているのに……。
ありがとうはこっちのセリフだよ……。
「あと、これは俺から」
「へっ」
唯十くんが今度は後ろに隠してた左手を出してきて。
そこには、白いリボンが結ばれたかわいらしくラッピングされたパステルピンク箱があった。
一体これは……。



