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花火も残り数本。
締めはみんなで線香花火対決をしようということになり、
先に火が消えた方がお皿洗いをするという罰ゲーム付きで、4人で輪になって線香花火に火を灯す。
パチパチと可愛らしい音を鳴らす線香花火を眺めていると,
「いいね〜線香花火。なんか、純恋ちゃんに似てる」
と隣にいる唯十くんが不意に私の名前を出したのでびっくりして顔を彼に向けると、ニコッと微笑まれた。
「華奢で小柄だけど、笑顔がパァって明るい分すごいパワー感じるっていうか」
「あ〜わかるかも!純恋ちゃんの笑った顔見るとこっちまで元気になる」
なんて、麻飛くんまで言うから、嬉しいような恥ずかしいような……。
そういえば……昔、誰かにもそんなことを言われた気がする。
『みーちゃんが笑ってると、僕も元気になる』
うっすら思い出す小さい頃の記憶。
あの声は確か、男の子の声で……。
幼なじみの翔、かな……。
でも、翔に『みーちゃん』なんて呼ばれた覚えはなくて。
あっ……。
『みーちゃん、それ、熱くないの?』
『大丈夫だよ!楽しいよ!カイトくんもやろ!』



