「気持ち切り替えられなくてネガティブな考えのままな人だって世の中にはいるんだから。そんな中でそんな風に考えて前に進もうとしてる丸山さんは……立派だよ」
「相良くん……」
『立派』
まさか、相良くんにそんなこと言ってもらえるなんて。
嬉しすぎて泣きそうだ。
うるっとして、目の前で色とりどりに光る花火がぼやけて見えた時。
「無理……雫久がいいこと言ってて泣きそう俺」
と曜さんが目頭を押さえて。
「待って今のセリフもう一回雫久!メモる!メモるから!」
と麻飛くんも立ち上がって、ふたりのその姿が面白くて自然と涙が少し引っ込む。
「雫久、歩く名言集なところあるもんね。さすが」
「あーうるさ」
「ふふっ、照れてる」
と唯十くんが少しイタズラっぽく笑う。



