「翔との花火大会の思い出は楽しかったまま、今年はこうして憧れで大好きなみなさんとこんなに素敵な夏を過ごせているので」
「大好きって……照れるから純恋ちゃ〜ん!俺も大好き〜!」
と麻飛くんが叫ぶ姿がおかしくてふふっと自然と笑みが溢れる。
「ありがとうございます、麻飛くん。……振られたばっかの時は苦しくて」
今までの時間は全部無駄だった、世界一不幸だって思って思うこともあったけど。
「今は、あんな素敵なライブに招待してもらったり、こうして楽しい時間を過ごせて、世界一幸せ者だなって思います!……単純、ですかね……」
そう言いながら視線が落ちる。
なんだかまた相良くんに怒られそうなことを言った気がする、と思ったら案の定、
「ほんと単純だな」
と声がした。
でも、その声色はいつもの不機嫌な感じと違って優しくて。
相良くんはそのまま続けた。
「でも、そこが丸山さんのいいところなんじゃない」
「えっ……」
相良くんの意外なセリフに思わず目をパチパチさせてしまう。



