「雫久何やってんの!全部飲むとかひどい!俺も飲みたかったのに!」

と麻飛くんも言う。

「……丸山さんが悪い」

「えっ……」

何が悪いのか全然わからなくてぽかんとしていると、

曜さんが「あーはいはいはい」と言いながら、なにやら楽しそうに相良くんと麻飛くんの肩に手を置いた。

「また今度もらってくるからさ〜!麻飛そんな怒らないであげて。純恋ちゃんもごめんね〜!雫久、純恋ちゃんがあんまり美味しそうに飲むから我慢できなかったんだよな〜可愛いな〜」

「いや、俺はただ……っ……ごめん」

相良くんは何かを言いかけたけど、決まり悪そうにガシガシと後頭部をかいてから呟くようにそう謝った。

本当に、曜さんが言うように美味しそうで我慢できなくてそうしたのかな……。

相良くんってそんな子供っぽいところもあるんだなあなんて見つめていると、

バチッと視線が絡んで。

「……っ、追加の肉取ってくる」

相良くんはなんだか慌ててそう言って私の視線から逃げるように家の中へと行ってしまって。

曜さんがそんな彼の背中を目で追いながら、

「自分の行動に自分が一番びっくりしちゃってんじゃん」

なんて言って笑った。