「へっ!?いや、違っ、その、逆に麻飛くんはいいのかなって」
「あはは。純恋ちゃん顔真っ赤〜!かわいい〜。俺は嬉しい」
う、嬉しいって。
こんなことでドキマギしちゃう私の方がおかしいのかな。
好きなグループのメンバーにお願いされて断れるわけがない、と。
しぶしぶ持っていた缶を彼に差し出した瞬間。
「へっ……」
麻飛くんが受け取ろうとした寸前、缶が誰かの手によってスッと上にあげられて。
そのままそれを目で追えば、缶ジュースを奪った人物は相良くんで。
ジュースがそのまま彼の口元へと運ばれていた。
「え、ちょ、雫久?!」
と麻飛くんの慌てた声が広いベランダに響く。
平然と一気に私の飲み物を飲み干した相良くんを見て固まることしかできない。
私、それまだ二口ぐらいしか飲んでいないし……。
ていうか、なんで急にこんなこと……。



