千景くんは魔法使い



「ねえ、千景くんが30ってことは25を引けば隣になれるってことだよね……!?」

みんな一番前の席以外の場所だったらいいと言っていたのに、女子たちの目標が25番を引くことに変わっていた。

私も贅沢を言っていいのなら、千景くんの隣の席になりたいけれど、今日の占いは最下位だったし、くじ運なんて良かったことがない。

とりあえず私も後ろのほうがいいな……という願いを込めながら、くじを引く。

折り畳まれた紙を広げると、そこには16番と書かれていた。

ま、待って。16番って、よりにもよって先生と一番近い真ん中の列の一番前!

……うう、なんで私って、こんなにツイてないんだろう。

ガクッと落ち込んだまま、私は黒板の座席表に名前を書いた。紙を回収するために先生に渡すと、「ん?」と、なぜか紙と座席表を見比べられた。

「遠山、書くところ間違ってるぞ」

「え……?」

そんなはずないと、私は紙の番号を確認する。そこに書かれていたのは16番ではなく、25番だった。