千景くんは魔法使い




「あ、そういえばね。またちっちが外に出て遊んできたみたいなの。次に会った時にダメだよって言ってくれないかな?」

ちっちは千景くんに命を救われた恩があるからなのか、私の言うことは聞かなくても千景くんの言葉になら耳を貸す。

『そのことなんだけど、多分ちっちには彼女いるんじゃないかな』 

「ええ、そうなの!?」

『前に部活帰りに塀の上を歩いてるちっちらしき猫を見かけたけど、その時に三毛猫と仲良くしてたよ』

ってことは、ちっちは彼女とデートするために外に出てたってこと?

それはちょっと叱れないというか、逆にダメと禁止にしてしまったら可哀想な気がしてきた。

「でも、どうやって鍵を自分で開けてると思う?」  

それだけがいくら考えてもわからない。

『魔法を使ってるとか?』 

「魔法っ!?」

またまた声が大きくなってしまった。

たしかに魔法を使えば鍵なんて一瞬で開けられる。

ちっちに彼女がいるのなら恋の悩みくらいあるだろうし、それがきっかけで魔法が芽生えていたとしたら……。