きっと千景くんは最初から今日は真田くんと話すつもりでいたんだと思う。
「俺はあの時、ひとりでなんでもできるとおごっていたんだ。チームメイトなんて信用できないし、自分でボールを運んだほうが確実に点が入るって思ってた」
千景くんは嘘をつくことはなく、正直な気持ちを打ち明けていた。
「……お前は最終的に俺にもパスをしなかったよな。ふたりでさんざん練習した連携の形になっても、見向きもしないで無視してた」
「……ごめん……」
千景くんが苦しそうな声を出していた。
そんな千景くんの誠意が伝わったのか、真田くんもぽつりぽつりと本音を漏らしはじめた。
「俺、お前がみんなからボイコットされた時、正直これで思い直してくれるって安心したんだ。なのにお前は思い直すどころか、なにも言わずにサッカーを辞めた」
「………」
「そんなもんだったんだなって思ったよ。お前にとってはサッカーなんてただの遊びだったんだろ?」
「違う……!!」
千景くんの声が河川敷に響く。
「遊びじゃない。俺も真剣にあのチームで全国に行くことを夢見てた。でも大切にしてたからこそ、俺のせいでチームの雰囲気を悪くしたことに心底自分のことが嫌になったんだよ……」



