……ああ、そんな適度にしたら、次使う時に絡まっちゃう。
心配になりながらも注意なんてできるはずもなくて、私は見てるだけだった。
「遠山さん」
と、その時。クラスメイトの桃園さんに名前を呼ばれた。
桃園さんは派手なグループに入ってるわけではないけれど、コミュニケーション能力が高くて、誰にでも好かれている女の子だ。
「ひとりで片付けしてたの?言ってくれたら、私もこっち手伝いにきたのに」
「……あ、でも私、片付けはけっこう得意、だから……」
緊張しいの自分がまた出てきて、自然と声が小さくなっていく。
桃園さんの目を見て答えなきゃいけないのに、視線も床に向いていた。
「今度さ、一緒にラリーの練習しようよ」
「……え?」
「せっかく部活に来てるのに、練習しなきゃ上手くならないよ」
誘ってもらえて嬉しいのに、それを言葉にすることができない。
結局、返事をろくにしないまま桃園さんは友達に呼ばれて行ってしまった。



