「おぉ〜。これが大学ってやつですか。」

桜井 翼はこの日が入学式。

地元ではまったくモテず、勉強もそこそこ。スポーツはフツー。

そこでよくある話だが地元を離れ、実家から片道二時間かかる地方の三流大学を選んだ。地方なら同級生もいないし、大学デビュー!ってやつができるから。

「これからこのキャンパスでドキドキ&ワクワクな事が…。」

「お!え?翼か!?」

誰かが声をかけてきた。

振り返って見てみたが、まったく見覚えがない。

「桜井 翼だろ?オレだよ、オレ!佐古間 友一!」
ドッキーン!!心臓が高鳴った。えぇ、ドキドキしましたとも。

佐古間 友一…。

なぜ奴がここに…。

奴はバイト先に同期で入った男で、バイト先ではよく僕と話をした仲だ。

だから僕のまったく地味でモテなくて彼女もいなかった事を知っているんですよぉ〜!

初日にこんなウルトラハプニングでは僕の大学デビューがぁ〜〜!!