「…あ、ソフトドリンクありますか?…薫はオレンジジュースでいいの?」

「あ、うん…」



店員さんにドリンクを注文すると、グラスの淵にフルーツが飾られたとてもおしゃれなオレンジジュースが出てきて、一息つく。



「お酒…飲まないんだね」

「俺達はまだ未成年だろ。なのに親族主催のパーティーで酒なんて飲んでたら、親の面汚しだよ」

「…相変わらず、真面目なんだね?」

「………」



相変わらず…なのか?



その何気ない一言の意味を、敏感に深く考えてしまう。

その時、ふと薫と目が合ってしまった。



「………」



しばらく見つめられた後に、ふふっと静かに笑いかけられる。



「…すぐ黙って考え込むところも、相変わらずだね」



(あっ…)



途端に顔が熱くなって、ソワソワとしてしまう。

不覚にも…ドキッとしてしまった。



そうやって、笑いかけてくれたのは…何時ぶりだろうか。

薫…。



逸らしてしまった視線を、恐る恐る横目で見るように戻す。

映った視界は、薫を捉えていた。



薫…も、そんなに変わってないよ。

サラサラで艶のある黒髪ロングも変わってないし。

…いや、見ないうちに大人っぽくなったな。