なずな、今頃何してるかな…。
なんて、落ちそうな意識の中で、そんなことを過らせながら眠りに落ちていく。
…まさか。
明日のパーティーに、思いもよらない出来事が待っているなんて、この時は想像もつかず。
翌日夕方。
パーティーの開始時間の二時間前に主催者親族控え室に集合。と、告げられる。
めんどくさい…と思いながらも、忠晴に持ってきてもらったスーツに袖を通して髪も少しセットしてから集合場所へと向かった。
親族控え室で何をするのかというと。
大した打ち合わせもいらないことの打ち合わせぐらいで。
あとはパーティー開始までお茶なり酒なり飲んで、お喋りするぐらい。
そして、控え室には続々と招待客が挨拶に来るので、頭をペコリと下げて対応するくらい…でも、それはじいちゃんや親父や母さんがやるから、俺と兄貴はいつも隅っこでおやつを食べている。
めんどくせー。
なんて思いながらも、控え室に向かう。
しかし、中に入るなり、待ち受けていたものとは。
「伶士ぃぃっ!こっちだ!こっちぃぃっ!」
俺を見かけるなり、嬉しそうに声をあげて手を振ってくる。
じいちゃんだった。



