決してハッピーエンドじゃないのに。

これでよかっただなんて。

切ないし、複雑。

胸にしこりの残る結末となってしまった。





泣き止まないなずなを胸の中に抱き止めて、慰めるようにその小さな頭をそっと撫で続ける。

そこで、ドアがそっと開く音がした。




「なずなサーン。帰りますよー…あっ」



(…何っ!)



そこに、登場したのは…あの、もさ男。



ドアを開きかけて中に入ろうとしたもさ男は、固まっている。

やばっ。気まずっ…!

こんなギュッと抱き合ってる姿、見られた…!



「あぁぁ…失礼しました」



そして、再びドアをバタンと閉めた。



何だそれ。

驚く様子も見せずに、普通にドア閉めて撤収しやがった。

何か、ムカつく…!

…いや、どんなリアクション取られても、ムカつくんでしょうけど。