…ボディガードをしてもらった、あの数日間は。

非常に濃い日々で、俺にとっては今までの真っ黒い感情を払拭できた、重要な日々だった。



親父に対する誤解も解けたし。

…最もその内容は、我が子を溺愛するあまりという恐ろしい結果だったが。



兄貴への劣等感も、さほど感じなくなった。

多少はあっても…目標に、負けないように俺も頑張る。

と、前向きに捉えることが出来ている。



…先ほど、久々に兄貴と薫のことを夢見てしまった。



昔は、悲しいとか何でだとか、憎しみいっぱいこもっていたけど。

今は…あぁ、こんなこともあったな。というぐらいにしか思えない。



悪夢は、悪夢ではなくなった。

ただの追想。



これも、なずなのおかげなんじゃ…と、思っている。



今まで誰にも話せなかったことを、なずなに話してしまって。

それを聞いてもらって、話を聞いて。



《笑いたいヤツらには、笑わせておけばいいさ?》



心が軽くなったのは、言うまでもない。