何が何だかよくわからず、ボーッと突っ立っていた俺だが。

木嶋さんに「ボクも来る?」なんて、声を掛けられ、ビクッとしながらも「はい…」と、なずなの後を追った。



「お嬢のカレシ?」



木嶋さんは、なずなにこそっと耳打ちする。

来た。またその質問か。

答えはやはり…。



「ちげーよ。学校の人」



やはり…。

学校の人、だなんてざっくり最高潮みたいな。

さりげに残酷物語…。



「へぇー。こんなレベル高いイケメン、ゲットしとかにゃJK生活も薔薇色なんじゃねえの?げーのーじんみたいなイケメンだろ」

「私の事はいいから、状況を説明しろ」

「へいへい」

さりげにスルーされるのも、いと残酷なり。



そして、木嶋さんの話を聞くことになる。



「…弓削先生が、ちょっとデカイ取引先を見つけたみたいでさ?」

「取引先?」



そもそも弓削先生とは誰。



きょとんとしている俺に気付いたのか、なずなが情報を付け足してくれる。



「弓削先生は、魔術師なんだ。朱雀会御抱えの。木嶋んとこの組長お気に入りでさ」

「魔術師?!」