「ただ?」

「…ただ、そこから魔力が漏れて流れ弾のようになり、関係無い人に被害をもたらしてるのは、見過ごせないな?」



良くないことではあっても、そこには人同士の依頼とお金が発生してるので、敢えて口を挟まないが。

関係無い人への被害…ただ漏れの流れ弾は放っておくワケにはいかない。

と、いうことか。

それはプロらしい発言ではあるが。



「取り敢えず、その魔術が行われているであろう現場を特定し、突入する」

「突入!」

「で、『奥さん、魔力だだ漏れですよー?気を付けてくたさーい?』と、一言忠告する」

「………」

何だ?その近所のおばちゃん風…。



すると、タブレットから着信音がした。

なずなはその画面をじっと確認する。



「…ボスからゴーサインが出た。行くぞ」

「ああ」

「…って、来るの?」

「なずなが行くぞっつったんだろ」

「………」


勢いで思わず口にしてしまったのか。

しまった…といった表情を見せているが、こちらとしては都合が良いことで。

やったーなんてね。



…こうして、次の行動に。



陰陽師の助手業は、まだまだ続く。