「そんなに驚くことじゃない。我々陰陽師が『陰陽五行』という占術で、天気を予想したり。占術の他、祭祀…呪術だって行うことも出来る。陰陽師は陰陽術、魔術を駆使するのは魔術師で、使う術の違いってだけ」

「魔術師…」

使う術が違う。

陰陽師とは同業者ってワケか。

古典の先生と数学の先生、みたいな。



「え、でも陰陽師も…呪い?やれるだなんて、イメージがちょっと」

「まあ、出来るってだけで?あからさまに呪い殺してくださいみたいな依頼、うちが受けないだけで?…しかし、そんな依頼を生業とするのは、恐らく…魔術師」

「依頼…ってことは、金が発生していて、誰かが頼んだってこと?」

なずなは頷く。



悪魔の力を借りて、人に呪いをかける魔術師。

これはもう、悪い匂いしかしないだろ。



「…じゃあ、その呪いをかけるだかの魔術師をシメに行くのか?」

「…いや?」

「えっ?違うのか?」

「あちらさんも仕事なんだ。その内容が悪かろうが、そんな邪魔をするようなことはしない…ただ」