思った疑問をすぐに口にしてしまったが。

なずなに「そこなんだ!」と、返答される。



「…この傷の障気から読み取れるのは、魔力」

「魔力?」



聞き慣れないワードが飛び出した。

魔力って…?



「恐らく、このビルのどこかで『魔力』が放出されてるんだ。…これは、その流れ弾みたいなもの」

「このビルのどこかでって…」



つまりは、だ。

このビルのどこかで。

ここではないどこかで、その『魔力』とやらを放出する何かが起きている。

と、いうことか。



「…その『魔力』が放出されている場所を見つけないと、この現象は解決しない」



そう言って、なずなはカウンターに置いといたタブレットを手に取り、椅子に置いてあったリュックを背負う。



「じゃあ…」

「引き続き、調査する必要がある」




…どうやら。

俺の陰陽師の助手業は、まだまだ終わらなさそうだ。




って、何もしてませんけど。