「え?何なに?」

「面白い話?」

そのリアクションに周りも興味を引き付けられる。

輝樹はうんうんと頷いていた。



「中三の夏かな。…あいつの元カレ、俺達の界隈じゃ札付きのワルだったんだけど」

「おー!不良か!」

「顔が、顔面凶器みてえなやつなの。やべえ…」

「………」



輝樹は思い出し笑いが止まらないようだ。

その顔面凶器を思い出してしまったからだろうか。



顔面凶器?!

どのくらい、凶器なの?!

笑っちまうぐらいだから、相当ヤバいんだろう。

見たいような…!



「輝樹、輝樹!写真ねえの?その顔面凶器!うわぁー!見てえー!」

チカは盛り上がってしまった。

隣にいる輝樹のスマホを指差している。

「俺は持ってねえけど…あ、姉ちゃんなら顔面凶器と同い年だからあるかも」

「姉ちゃんに頼んでくれえぇぇ!見てえぇっ!」

「わかったわかった。…俺も久々に見てえし?」

そう言って、輝樹はスマホをいじり出す。

姉ちゃんにLINE?



輝樹、俺も見たいな。

届いたら見せてね。



だなんて。