すると、吠えたのはこの人だ。



「むー!コラアァ!私のさわやか自然百景歯の白い王子様、橘伶士殿に頭下げさせてんじゃねえよ!マネージャーでもマネーロンダリングでもやったれやコラアァ!」



みっちょだ。

なずなの後ろに隠れたまま、怒鳴っている。

なぜ、前に出てこない。

それに、マネーロンダリングはやってはいかん。



むーはそんなみっちょに対して「あぁ?」と睨みを利かせる。

だがそこで、チカが「マジ?!」と、嬉しそうな顔を見せていた。



「マジ、むーマネやんの?!…入れ!来い!」



チカ、おまえ一歩遅くね?



だが、むーはため息をついている。



「ったく、簡単に言うけどよースズチカ。こっちはいろいろ大変なんだぜ?」

「大変って何がだよー。一緒に楽しくやろうぜー?むーいるなら俺頑張っちゃうっ」

「バカもん。楽しく?この高校のサッカー部は強豪だろうよ。ハードスケジュールだろがい」

「でも、ずっと俺達一緒だぞ?楽しいぜ?きっと。やれやれ。やろうぜー?何でやんねえのー」



チカが、むーをゴリゴリに勧誘している。

思わぬ伏兵だ。