むーが、俺の存在に気付いた。



途端に「きゃああぁぁっ!」と、悲鳴が上がる。



「わ、わ、私のさわやか自然百景王子様、橘伶士殿ぉぉっ!…こんなに近くに!…きゃああぁぁっ!」



みっちょだ。

途端に大声で叫び、途端になずなの後ろに隠れている。

そして、なずなの肩越しに、じっとひっそり俺を見ているのだ。

刑事の張り込みのように。

視線が恐い…。キラーンと光ってる。



みっちょ…そのくだり、鉄板になってきた。

なずなの後ろに隠れるのだけ、何とかならないか?

俺のすきな人の後ろに隠れるのだけは…すごい複雑。



そこで、美森が何故か自信満々にドヤ顔となる。



「…そうなのです!…今日はうちのエースと次期キャプテンを連れての本格的懇願ですってば!…どうしても川村萌梨殿に一緒にやってほしーの!…お願いしますっ!…ほら、あんたらも頭下げ!下げ!」

「あ、あ…うん」

そして、颯太と二人でワケも分からず勢いに押され「お願いします…」と、頭を下げた。