だから、マネの勧誘…。
「って、何で俺達も一緒に」
「チームのエースと次期キャプテンも一緒にお願いしに行くよ!だとよ」
「でも、うちのマネは経験者じゃないとダメなんだろ?だから美森が一人で…」
「それが、マネ経験者いたんだとよ」
「えっ!」
「で、美森一人で行ったら断られたから、今度は俺達を連れてもう一度懇願しに行くんだとよ」
「へぇ…」
一回断られてんだろ?
俺達が同伴してお願いしに行ったところで、何か変わりあんだろか。
しかし、せっかく美森が元気出してんだ。
ちょっとぐらいなら付き合ってやるか。
「…で、何組の女子?」
「三組だって」
「へぇー。輝樹と一緒」
廊下を歩いて美森の後を追うが。
先に行った美森は、なぜか六組の前で足を止めている。
そのままの位置から六組の中を見ているようだ。
「おいおい。三組だろって」
「本日はここにいましたわ…!」
美森はそう呟くと、中へずんずんと入っていく。
え?六組に?
…あ、おいおい。一人で突っ走るな!
こっちはその相手がどこの誰かかもわからないと言うに!



