俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~


しかし、一週間ともなると、それなりに元気が出てきたようで、今は元通りの変にウザいうるさい美森だ。

ずっと嘆かれるより、ウザい方がマシ。




「…伶士!早く!」

「…ん?ん?あ、うん」



突然美森に急かされて、あれよあれよと席を立つ。

「行くよ!」と、先に教室を出た美森に連れられて、ワケも分からないまま後を着いていくカタチとなった。



「え?行くって、どこに?」

「…またおまえ話聞いてなかったのか」



後ろには颯太がいて、苦笑いしている。

「ちゃんと話聞いてろよ」と、一言付け加えられる。

話?考え事してて、聞いてなかった…。



「…で、美森に連れられて俺達はどこに行くの」

「マネージャーの勧誘だとよ」

「マネージャー?!」

「俺達の代、マネージャー美森しかいないだろ。上の学年にはマネ二人なのに、それより人数の多い俺達の代が一人だなんて、仕事が回らない!だってよ」

なるほど。

確かに、俺達の学年のマネは美森だけ。

今は上の学年にマネが二人いるから何とかなってるけど、来年、上に抜けられたら自分一人じゃ無理ということか。