しかし、一週間ともなると、それなりに元気が出てきたようで、今は元通りの変にウザいうるさい美森だ。
ずっと嘆かれるより、ウザい方がマシ。
「…伶士!早く!」
「…ん?ん?あ、うん」
突然美森に急かされて、あれよあれよと席を立つ。
「行くよ!」と、先に教室を出た美森に連れられて、ワケも分からないまま後を着いていくカタチとなった。
「え?行くって、どこに?」
「…またおまえ話聞いてなかったのか」
後ろには颯太がいて、苦笑いしている。
「ちゃんと話聞いてろよ」と、一言付け加えられる。
話?考え事してて、聞いてなかった…。
「…で、美森に連れられて俺達はどこに行くの」
「マネージャーの勧誘だとよ」
「マネージャー?!」
「俺達の代、マネージャー美森しかいないだろ。上の学年にはマネ二人なのに、それより人数の多い俺達の代が一人だなんて、仕事が回らない!だってよ」
なるほど。
確かに、俺達の学年のマネは美森だけ。
今は上の学年にマネが二人いるから何とかなってるけど、来年、上に抜けられたら自分一人じゃ無理ということか。



