俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~


…と、いうか。

元気になった。



実はこいつ。

先週、片思いしていた東先輩にフラれている。



…東先輩が、バレンタインデーをきっかけに、同じ学年の女子とデキてしまったのだ。



美森はせっかく高級柿ピーチョコを用意したのに、渡すことが出来ず。

戦前敗退。



『うわああぁぁんっ!…こんなチョコいらない!おまえらにやる!』



そう泣き叫びながら、せっかく買ったチョコを俺達に向かって投げ付ける。

俺の額にボカッと当たり、颯太がそれを救い上げた。



『八つ当たりすんなてめえこら!』

『うおぉぉーっ!…相手はせづマネの友達の!…ソフト部マネのキャンディーちゃんですってよー!…やはり女子は見た目ぇぇっ!うおぉぉーっ!』

『ったく、しょうがねえな…』



結局、そのチョコは颯太が持ち帰り、颯太が美森の嘆きのお守りをすることになる。

イオンで延々と話を聞いてやり、延々と慰めていた。

颯太、大仕事だぞ。御愁傷様。

俺も途中までいたけど、空手の稽古の時間に遅れそうになり、ドロップアウトしてしまった。