俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~


少し上がっては、ぶち落とされ。

また少し近付いては、またぶち落とされ。

本当に容赦ない、俺の残酷物語。



頑張ったところで、こいつのその上を行くなんて、出来るんだろうか…。



なずなの気が済んだのか、高速デコ突つきは終了した。

お互い、何を一生懸命になったか知らんが、息をハァハァときらしている。

プラスこっちは、余韻で頭がグラグラとめまいする。

脳震盪になる…。



…しかし、俺が調子づいて、追い掛けて。

でしゃばって、仕事の邪魔をしたことは、本当に反省してるんだ。



「す、すみませんでした…」

「はぁぁ…」

「さっきは、ごめん…ほんと」

「………」



本当に、悪かったと思ってる。

まだまだ、自分は未熟だった。



「………」



謝罪を終え、しょんぼりしてたが。

なずなは無言でじっとこっちを見続けている。

な、何だよ…。

と、思っていたら、またしても軽くデコをつんと突つかれた。

また…!



「お腹すいた」

「…へ?」

「ごはん奢って。それで許す」



ごはん…。



なずなは、げへへ…と笑っていた。

悪そうに。