顔を下から覗き込まれていることに気付いて、体をビクッと震わせてしまった。
いきなり…近い!
しかし、そんな顔が近くてドキドキとか、感じている場合ではない。
「っつーか、何ぶちギレてんだコラ」
「へ?…わ、わわっ!」
ムッとしてんな。と、思ったのも束の間。
隙を突かれて、額を指の先でおもいっきりツンと突つかれる。
ブッ刺される勢いのデコ突つきは、中の脳ミソが揺れるぐらい頭が後方にグラッと揺れた。
「痛って!何す…いぃっ!痛っ!や、やめろ!」
「やかましわ!…このっ!…このっ!」
最初の一発を皮切りに、怒涛の高速デコ突つきが始まる。
ツンツンツンツン…又と無い間髪入れないスピード!
その度に頭がグラグラグラグラ…。
首が座る前の赤ちゃんのよう。
「…わっ!…やめ、やめっ!…落ち着け!わわっ!」
「…えぇい!…危なげなのにでしゃばってくるなぁぁっ!…伶士いぃぃっ!」
危なげ?
それ、親父の俺に対する鉄板のセリフ…!
なずなにまでそれを言われるなんて…!
ガーン!
残酷物語、容赦ない。



