俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~


顔を下から覗き込まれていることに気付いて、体をビクッと震わせてしまった。

いきなり…近い!



しかし、そんな顔が近くてドキドキとか、感じている場合ではない。



「っつーか、何ぶちギレてんだコラ」

「へ?…わ、わわっ!」



ムッとしてんな。と、思ったのも束の間。

隙を突かれて、額を指の先でおもいっきりツンと突つかれる。

ブッ刺される勢いのデコ突つきは、中の脳ミソが揺れるぐらい頭が後方にグラッと揺れた。



「痛って!何す…いぃっ!痛っ!や、やめろ!」

「やかましわ!…このっ!…このっ!」



最初の一発を皮切りに、怒涛の高速デコ突つきが始まる。

ツンツンツンツン…又と無い間髪入れないスピード!

その度に頭がグラグラグラグラ…。

首が座る前の赤ちゃんのよう。



「…わっ!…やめ、やめっ!…落ち着け!わわっ!」

「…えぇい!…危なげなのにでしゃばってくるなぁぁっ!…伶士いぃぃっ!」



危なげ?

それ、親父の俺に対する鉄板のセリフ…!

なずなにまでそれを言われるなんて…!

ガーン!



残酷物語、容赦ない。