俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~



「…そう思ったのは、現場に来て事情が変わったから」



そう話し出すなずなの表情は、多少ムッとしている。

言い過ぎたか?…ヤバい。



「依頼と調査結果が来てから…敵さんが何者なのか、更に詳しく調査するために、自ら現場に入って探ろうと思ったのよ。人間や浮遊霊、地縛霊のイタズラなのか、はたまた妖怪の仕業なのか」

「…うん」

「でも、現場の催事は男女カップルじゃないと入場出来ない。物々しく堂々と入って気付かれたら仕事が進まなくなるから、客のフリしてこっそり入ろうとしたワケ」

「うん…」

「…で、伶士だったら、私の仕事の事情も知ってるから、一緒に行ってくれるかと思って。で、声かけたんだ。断られたけど」

「…だから、断ってねぇ!」

「…で、断られた直後に、ペンタグラムにちょうど東京から一時帰って来た夏輝くんがやってきて、そこは何とかなったんだ」

「………」

だから、断ってねぇって言ってるだろ。

と、言いたいところだが、しつこいのでやめとく。