俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~


「…っつーか、急にキレんなよ。これだからおとなしいヤツはおっかねぇ」

「何っ!…すぐキレる危険な大人みたいな言い方すな!…大体、俺が『断った』とか言ってるけど、俺がいつおまえの誘いを断ったってんだよ!」

「は?だって部活のみんなと予定あったんだろ?だからアンナカさんと一緒に…」

「予定はあったけども!…夕方までだから、行けるって!行けるって俺は言いたかったんだぁっ!なのに、なのにおまえわぁぁっ!」

「はぁ?おまえそんなこと言ったか?」

「言おうとしたら、電話切りやがったじゃねぇかよ!人の話ろくすっぽ聞かず!」

「え。そーだっけ」

「そうだよ!…なのに、あたかも俺が行きませーん!言ったみたいな言い方しやがって!しかも、連れてこなくて良かった?断られて良かった?…俺、どんな扱いされてんのよ!」

「っつーか、何でそんなにムキになってんだよ」

「ムキにもなるわ!なのに、連れてこなくて良かったとか、断られて良かったとか、俺いったい何なワケ?!」

「………」

「あ…」

シラッとした視線を向けられて、俺の勢いが死んでしまった。

ああぁぁ…そんな目で見るな。