俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~


予想通り、がっつり怒られた。

反論する言葉、ひとつもありません。

気付け、追ってくるな、遊びじゃない。

所々、グサグサとくる…。

始まってる、俺の残酷物語…。



ずーんと落ち込む。



そして、糾弾ぶちかましたなずなは、またため息をついて、ボソッと呟く。



「んっとに…伶士を連れてこなくて良かったって、思ってたのに…」

「…え?」

「まあ、結果的には断られて良かったけど…でも、偶然こんな現れちゃあ…」



は…。



俺を…連れてこなくて良かった?

断られて、良かった…?



残酷トドメの一撃だが。

完全沈没する予定の一言だったが。



(何だそれ…!)



…何故か、そこで俺は元気になってしまう。



な、何を…!

それは、違う。

そこだけは、言わせてもらうぞ…!



反撃物語の始まり。




「…俺は断ってねぇぇっ!」



カチーンときてしまったせいか、思わず大声を出してしまった。



「…は?」



なずなはその気難しい顔のまま、目を丸くしている。