俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~


「あ…」


その言葉の続きは、何となく予想がつく。

恐らく表情の通り、呆れたコメントを投げ掛けられることになるのだった。



「…何で、おまえがここに現れちゃうの?」



うっ…ズバッと聞いてくんな。

まさか、気になって気になってここまで追い掛けてきたとは言えない。

途中でこれが依頼なんだと気付いた時には、もうすでに遅く引き返すことが出来なかった…。



「あ、あの、それは…」

「それは?え?」



眉間にシワをグッと寄せて、こっちに詰めよってくる。

迫力あるその視線に、思わず怯んで一歩退がってしまった。

呆れた上に、少しお怒り系…?



「み、見かけたからどこ行くのかなー?なんて」

「は?だからって着いてくる?」

「いやいや、そっちにも秘密のお店あんのかなー?なんて…」

「はぁ?こんな薄暗い裏口にあるワケなくない?っつーか、おかしいって気付けよ!いくら見かけたから追ってくんなよ!こっち遊びじゃねえの!ケガするかもしれなかっただろうがぁっ!…伶士いぃぃっ!」

「あ…す、すみません…」