「あ…」
その言葉の続きは、何となく予想がつく。
恐らく表情の通り、呆れたコメントを投げ掛けられることになるのだった。
「…何で、おまえがここに現れちゃうの?」
うっ…ズバッと聞いてくんな。
まさか、気になって気になってここまで追い掛けてきたとは言えない。
途中でこれが依頼なんだと気付いた時には、もうすでに遅く引き返すことが出来なかった…。
「あ、あの、それは…」
「それは?え?」
眉間にシワをグッと寄せて、こっちに詰めよってくる。
迫力あるその視線に、思わず怯んで一歩退がってしまった。
呆れた上に、少しお怒り系…?
「み、見かけたからどこ行くのかなー?なんて」
「は?だからって着いてくる?」
「いやいや、そっちにも秘密のお店あんのかなー?なんて…」
「はぁ?こんな薄暗い裏口にあるワケなくない?っつーか、おかしいって気付けよ!いくら見かけたから追ってくんなよ!こっち遊びじゃねえの!ケガするかもしれなかっただろうがぁっ!…伶士いぃぃっ!」
「あ…す、すみません…」



