俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~


「あれ?アンミカさん帰るの?」

「あーんーなーか!…わ、私、これから待ち合わせしておりますの。伶士には時間潰しに付き合ってもらっただけで、決して!怪しい仲ではありませんからね?オホホホ!」

「え?あ、そ…」



わざとらしい。



「じゃあ、伶士!明日部活でー!オホホホ!」



そう言って、美森は謎のキャラ設定のまま逃げるように帰っていった。

本当に。なぜ自然に振る舞えないのか。



その場に取り残されたのは、俺となずなの二人…。

二人きり…。




「………」

「………」



突然すぎて、会話が見つからず。

お互い沈黙してしまう…。



え?この先、どうしたらいいの…?



改まってそう考えると、逆に何していいかわからず、モジモジしてしまう。

すると、横で「はあぁぁ…」とため息が聞こえてドキッとさせられた。



「おまえなあぁ…」



恐る恐るため息の方向を見ると、やはり。

なずなは半ば呆れた表情をしている。



この心臓が縮み上がる感覚は、決して気にしすぎではない。

やはり、そのため息は俺に向けられたもの…!