「退魔調伏で封印をしたら、残った黒翼が反応して、封印破って出てきた。しょうがないから、玲於奈の『飛炎翔』で抹消を仕掛けたんだけど、やっぱり黒翼が反応して…逃げられた」

「陰陽師さんの封印を破る…『神童』の必殺技からも逃げる…んんんん…」

酸っぱそうな顔をして考え込んだ後、また「はあぁぁ…」と、ため息をついている。

名案、対策が見つからないといった様子か。



「それに…アイツの黒翼を飲み込んだ魔族だけじゃない。奴らの出現によって、そこらの妖怪たちがザワツキ始めてるみたいで…陰陽師への依頼の件数も倍に増えてるんだ。これはやっぱり、何とかしなくちゃいけない事態になってる」

「…それを、音宮だけで対応してんの。俺達には何の報告もなしに?」

「これは、私達の問題だから。それに、みんなそれぞれ忙しいだろうし、夏輝くんたちは札幌出てるし…」

「…だーかーら!それを水くさいと言うんだ!いくら、リグ・ヴェーダだけを取り逃がしているからって、これは何も音宮だけの問題じゃねえ!…俺達は仲間だろ」