しかし、クリスマスねぇ…。

あまり気にしてなかった。

大会近いからか必死で、気付けばこの時期だったし。



クリスマスは毎年、付き合いで何らかのパーティーに参加している。

パーティーは苦手だから、クリスマスは億劫で仕方なかった。

今年は遠征で参加しなくて済む。ラッキー。ぐらいに思っていたんだけど。



どうやらみんな、女の子とクリスマスを過ごすことにこだわるらしい。



好きな女の子とクリスマスか…。



…そこで、脳内に登場するのは、意中のヤツだった。



聖なる夜に、二人で。

家でおでんとステーキ食って、テレビを見る。



(………)



あぁ…それ、いいかもしんねえ…。

でも、陰陽師ってクリスマスやんのかな…。



もしもの妄想に、一瞬だけうっとりとポヤーンとしてしまった。



「ちょっとだけ、チカの気持ちわかるわ…」

「…はぁ?イケメンに俺の気持ちの何がわかるっつーの。伶士とクリスマスご一緒したい女子はそこらにいっぱいいるぜ?何なら今ここで『俺とクリスマス過ごしたい人集合!』って叫んでみ?軍団出来上がるぐらい集まるぜ?クラスターだクラスター!」

「………」

また、怒られた…。