「な、中に?!」

「霊圧が直に当たってるから、そのまま放置しておくと危険!」

「お、おう!わかった!…とりあえず、ほら、入れ」

イケボ男に中へ招かれる。

意識のない美森は軽々と抱き抱えられていた。

意識がまだ戻らないようだ。

何で、美森が…?



「美森…」

気にして、美森の顔を見るが。

「大丈夫。霊圧モロに当たって気を失ってるだけ。そのうち目を覚ます」

そう言って、イケボ男は美森を床に寝かせ、自分の着ているブルゾンを脱いで掛けた。

「霊圧…?」

妖気に当たったとか、そんなものに近いのだろうか。

「っつーか、おまえも一緒に霊圧にブチ当たってたけど?」

「え?」

「…この子、気を失ってんのに何でおまえさんはピンピンしてんの?…っていうか、おまえ何者?」

「何者って…」

質問の答えに困っていると、早い足音がこっちに向かってくる。

なずなが戻ってきた。



「夏輝くん、伶士は少し霊力あるんだ」

「は?少し?…一般人が気を失う勢いの霊圧ブチ当たって平気なんて、術者並みだろうよ」

「そんなことより…ヤバい」