★★★










あぁ、神様。

懺悔します。

本当にすみませんでした。

もし、二時間前に戻れるのならば、怒りと嫉妬に支配された俺をビンタしてやりたいです。



…まさか。

まさか、なずながここに仕事をしに来ていたなんて。




「…なず!後ろ!」



イケボ男が、その麗しの美声を響かせてなずなに注意を呼び掛ける。



…まさか、こんなところに妖怪がいたなんて!



その妖怪、見た目赤くて小さな恐竜…まさにボケモンのモンスターをリアルにおぞましいものにした物体は、なずなの背後に飛び掛かろうとする。



「ちっ!…ナウマク・サンマンダ・ボダナン…マカ・ナーラ・ア・ビラ・ウンケン・ソワカ!ーー蓮華、曼陀羅陣っ!!」



なずなの振り返り様に登場したのが、あのピンクのガラス、霊気の盾、蓮華曼陀羅陣。

赤い恐竜の行く手を阻むかのように、互いの間に出現し衝立となり、バチバチッと激しく音を鳴らした。

その蓮華曼陀羅陣に両掌を押し付けながら、なずなはこっちに向かって叫ぶ。



「夏輝くん!とりあえず二人中に入れて!」